DMPを活用したシナリオ設計

こんにちは。ALBERT コンサルティング・アクティベーション推進部の黛です。
今回はプライベートDMPを活用したシナリオ設計の考え方とポイントについてお話します。

プライベートDMPを導入すると、それまで散在していたデータを一元管理し、可視化したり、分析したりすることが出来ます。さらに分析結果に基づいて、顧客毎の嗜好性や購買モチベーションに合わせた施策を打ち分けることも出来るようになります。

以前の記事でも触れましたが、マーケティングオートメーションツールやDMPで管理する施策のことを「シナリオ」と呼びます。「シナリオ」は連係するチャネル(メール/Webサイト/広告/アプリ等)毎に、「いつ」「だれに」「どのように」アプローチするかを定義したものです。

異なる特性を持つ顧客が多くいれば、それに応じてパーソナライズされたシナリオが出来るわけですから、シナリオ数は多くなります。大手総合通販のクライアントではシナリオ数が100本を越えることも珍しくはありません。
ALBERTのプライベートDMP構築ソリューション「smarticA!DMP」はキャンペーンマネジメントの機能を持っているので、多様なシナリオを管理し、自動化することが可能です。

 

シナリオ設計の際に考慮すべき4項目

1. ターゲット

CRMのコミュニケーションはパーソナライズやOne to Oneが基本ですので、まずはアプローチするターゲットの特性を見極めることが大切です。性別や年齢等の属性でセグメントをつくってシナリオを打ち分ける方法もありますが、DMPを導入する場合は、蓄積されたログデータ(購買ログ/サイト閲覧ログ等)を活用して、「嗜好性」と「購買モチベーション」を判別することが有効なシナリオをつくるポイントと考えています

  • 嗜好性

    単品通販の場合は別として、多くの企業は複数のブランドやカテゴリの商品を取り扱っています。ECサイトを利用している顧客に対するシナリオを考える際、 まずはその顧客が「どのブランド、カテゴリ」に興味があるかを見極めます。これは特定の商品情報ページを閲覧したというログからもわかりますが、過去の購 買履歴や閲覧履歴を分析することで顧客毎の嗜好性を判別することが出来ます。ALBERTでは、DMPを導入する際に顧客の「クラスター分析」を行うことが多いです。これは購買履歴や閲覧履歴等の行動ログを分析し、似たような嗜好 性を持つ顧客をグルーピングする方法です。従来の属性ベースのセグメントではなく、実際の行動ベースの顧客分類ができるため、クラスター別のシナリオ設計 で大きな成果を出すことが出来ます。
    またsmarticA!DMPには「データマイニングエンジン」が搭載されています。日々サイトに来訪する顧客(見込客も含む)が、どのクラスターに属するかを自動的に判別して分類する機能を持ち、導入企業様にご活用いただいております。

  • 購買モチベーション

    ブランドやカテゴリの嗜好性に加えて、施策を打つタイミングにおける顧客の「購買モチベーション」、つまり「どれだけ買う気になっているか」を見極めることも大事です。サイトに訪問したからといって買う気になっているとは限りません。サイト訪問の度にプロモーションメールを送っていては、スパムメール扱いされ、最悪の場合、離脱されてしまうこともあります。
    購買モチベーションも様々なログを見ることで判別することが出来ます。ECであれば、トップページや商品一覧ページしか見ていない人に比べて、特定の商品 の商品詳細ページを見たり、お気に入り登録したりした人は購買モチベーションが高いのは明らかです。また、ECサイト流入時の検索ワードや直前に見ていた サイトの情報、サイトへの訪問回数、訪問頻度によってもモチベーションの違いを見出すことが可能です。

2.タイミング

施策を打つタイミングも重要です。顧客のモチベーションが高まったタイミングでないとコンバージョンはもちろんのこと、開封やクリックすらしてもらえないことになります。
事前に「購買期間分析」をして、商品の購買頻度や買い替えサイクルの傾向を把握しておけば、アプローチタイミングも見えてきます。リピート通販の場合であ れば、次に購入するタイミング(商品を使い切るタイミング)、旅行であれば年間の旅行回数や旅行検討期間に関する傾向を分析することになります。

3.メッセージ/レコメンド

「ターゲット(誰に)」と「タイミング(いつ)」が決まったら、どのようなメッセージを届けるかを考えます。ターゲットの嗜好性やモチベーションに合わせ て訴求内容を決め、メールやバナーのクリエイティブを制作します。クリエイティブの中にレコメンドアイテムを入れることが出来る場合はレコメンドルールの 設計を行います。
よくHTMLメールやバナー広告、Webサイトの中に、「あなたへのおすすめ」や「レコメンドアイテム」として複数の商品がパーソナライズ表示されている ものを見かけます。レコメンドにも様々あり、過去の購買履歴を使うこともあれば、最近のサイト閲覧履歴からレコメンド商品を決めることもあります。また購 買履歴がない場合や、どの商品に興味があるか判別が難しい場合は、その顧客の属性(性別・年代等)やクラスター別のランキング情報を出すこともあります。
レコメンドルールの設計も、多くの顧客分析や商品アソシエーション分析の経験があり、レコメンドエンジンの開発にも取り組んできたALBERTの知見が活かせるところです。

4. チャネル

最後に顧客にアプローチする際のチャネル(接点)と、その特性を考えます。
顧客が商品を認知、あるいは購買を思い立ってから購入するまでの、いわゆるカスタマージャーニーを描きながら、どの段階でどんなチャネルに接触するのかを見極めます。
チャネル毎に出来る施策も違いがあります。メールやプッシュ通知であれば、プッシュ形のアプローチが可能ですが、WebサイトのLPOやレコメンドはプル型のアプローチになります。メールとバナーとプッシュ通知では伝えられるメッセージの量も異なります。

 

このように、シナリオ設計には顧客や商品に関する分析と深い考察が必要になりますが、じっくり取り組むことが成果につながることは間違いありません。また、シナリオ毎のKPIを設定してPDCAを回し、継続的に改善することも大切です。

ALBERTでは、通販・小売業だけではなくメーカーやメディア企業のプライベートDMP導入プロジェクトも増えており、多くの業界・業種のお客様から引合いいただいております。こうした実績を活かしながら、クライアント企業とその先にいる顧客を見据えた最適なシナリオ設計を支援いたします。

※お詫び※
前回10/21付けで「DMPを活用した顧客育成」と題してシナリオ設計についての記事を公開しましたが、わかりにくい表現があったため、今回内容を改めて投稿しました。また「顧客育成」もDMPを導入・運用する上で非常に大切な視点ですので、別途記事を投稿させていただきます。