プライベートDMPを活用したインターネット広告最適化

こんにちは。ALBERT コンサルティング・アクティベーション推進部の武田です。

ALBERTに入社する以前はインターネット広告の専業代理店におりました。今回は前職で考えていたこととALBERTに入社して気づいたことをまとめて、「プライベートDMPを活用したインターネット広告の最適化」というテーマでお話します。

インターネット広告はこの十数年で目覚ましい進化を遂げ、手法が高度化してきています。最近は様々なアドテクノロジーが開発され、多様なターゲティング広告を配信できるようになりました。

しかし、実際は広告効果を改善する取り組みの度合いが広告主ごとにまちまちで、適切なPDCAサイクルをまわしている広告主は少ないのが現状です。本来、アドテクノロジーの活用は広告配信の手段であって、目的ではありません。本来の目的は自社のマーケティング活動を、より成果が出る質の高い活動にしていくことです。しかしながらその運用の複雑さゆえに実施することに精一杯で手段が目的化してしまい、本来の目的からは遠いものになってしまっているケースが見受けられます。

そんな状況でプライベートDMPを導入すれば、さらに広告配信・運用が煩雑になってしまうのではないかとお感じの方もいるかもしれません。しかし、プライベートDMPを導入することでこれまで煩雑に感じていた運用が整理され、ターゲティングも適切に行えるようになるため、本来行うべきマーケティング活動の最適化ができるようになるのです。

ポイントは「顧客ニーズの理解」と「広告配信の最適化」です。

インターネット広告といっても様々ありますが、今回は多くの広告主が実施している「リターゲティング広告」にスポットをあて、リターゲティング広告の最適化におけるプライベートDMP活用のメリットをお伝えできればと思います。

プライベートDMPに蓄積されたデータを分析することで「顧客ニーズの理解」が可能になり、「配信ターゲットの最適化」と「広告メッセージ・クリエイティブの最適化」を実現できます。

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1.顧客ニーズの理解

自社のリターゲティング広告がどんな人を追いかけているか、しっかりと把握できているでしょうか。もちろん一度自社サイトに訪問した人であることは当然ですが、「どういったニーズを持って訪れた人か」を事前に考えてリターゲティングリストの設計をしているかが重要になります。なぜならば、自社サイトを訪れる人は実に様々なニーズを持っており、何となくサイトを訪れた比較的ニーズの低い人から、今日にでも購入を考えているニーズの高い人まで様々いるからです。

では、そのニーズの高低をどのようにしてリターゲティングリストに反映するのでしょうか。従来のやり方では、自社サイトのアクセスログを基に、トップページしか見ていない人はニーズが低い、商品詳細やフォームまで到達したらニーズが高い、といった具合に分類していました。

一方、プライベートDMPにはアクセスログ以外にも様々な情報を格納することができます。特に購買履歴やメールへの反応履歴、顧客ランク情報等のCRM情報は顧客ニーズを明らかにする上で有用です。

・3ヶ月前に商品を購入して、買い替え時期が近い顧客
・メールを送付してもほとんど開封しない顧客
・セールやクーポンがあれば高確率で購入する顧客

これらの人物像は、「自社サイトのアクセスログ」だけではわからないとてもリアルな顧客像です。これらはプライベートDMPに自社の顧客データを繋ぎこむことで初めてわかることなのです。

こういった顧客像は、リターゲティング広告の成果を向上させるのに大いに役立ちます。なぜならば、その人のニーズがより深く把握できているため、どのようにアプローチをすればコンバージョン率が高まるかを描きやすいからです。従来の訪問ページを軸とした分類だけでは、本当にリアルなニーズを把握するには限界があります。この具体的なニーズの可視化こそ、プライベートDMPを活用する大きなメリットなのです。

2.配信ターゲットの最適化

顧客ごとの具体的なニーズを可視化したら、やるべきことは「ターゲットごとの成果に基づいた最適化」をしていくことです。プライベートDMPを活用すれば様々なターゲットセグメントを生み出すことができます。サイトの閲覧履歴と購買履歴やメルマガ施策の結果、コールセンターからのフィードバックを掛け合わせて「これはコンバージョンに繋がりやすい」と考えられるターゲットをグルーピングしてリターゲティング配信することが可能となるのです。

ターゲット像・ニーズを明確にして広告を配信していると、自ずと成果差が表れてきます。クリック率が高いもの、コンバージョン率が高いもの、あるいはその逆といった具合です。よって、日々の運用の中で成果の良いターゲットに予算を配分したり、類似のターゲットを作ってみたり、といった最適化を行うことができます。

逆にアクセスログだけといった限定的な情報からセグメントを作って広告配信を実施していると、改善・チューニングポイントが見えにくく、PDCAサイクルが滞りがちです。

自社の顧客をよく観察し、どうすればコンバージョンに結び付くかを徹底的に考える。これこそが本来のマーケティングであり、実施すべきPDCAサイクルと言えます。

3.広告メッセージ・クリエイティブの最適化

次にお話するのは広告メッセージとクリエイティブ(バナーやテキスト、リンク先)についてです。自社のリターゲティング広告のクリエイティブはどうなっていますか? すべて同じバナー、あるいは2~3種類のバナーをABテストとして同時に出稿している、など様々かと思います。

しかし、ここで重要視したいのはそのクリエイティブとリターゲティングリスト(=ターゲット)との適性についてです。どのリターゲティングリストにも共通のクリエイティブを設定していないでしょうか。もしそうだとしたら、それは大変もったいないことです。

前項で「顧客ニーズの理解」について述べました。リターゲティングにおけるターゲットは「ニーズの違い」によってわけられていると言っても良いかと思います。ニーズが異なればクリエイティブも異なる、というのはごく自然な話です。

では、なぜ一律のクリエイティブを設定している広告主が多いのでしょうか。
そこには「クリエイティブを複数制作するリソース・費用が足りない」という面と「どういったクリエイティブを作れば良いかわからないので汎用的なものを作った」という面があり、結果的にどのリターゲティングリストに対しても同じようなクリエイティブを設定してしまっているケースが多いのです。

この中で後者の問題を解決することが非常に重要です。「どういったクリエイティブを作れば良いかわからない」という悩みは、「誰に見せるクリエイティブなのか」をしっかりと考えることで解決できます。前項で述べたように、ターゲットが具体的に定義できていれば、それに適したクリエイティブを制作することは難しいことではありません。

プライベートDMPを活用することで、「そろそろ買い替え時期が近い人」ということがわかっていればクリエイティブは自ずと「買い替え時期ではありませんか」という訴求になりますし、「クーポン訴求に刺さる人」ということがわかっていれば「今ならクーポンでお得!」となるわけです。もちろんそれが最良のキャッチコピーかどうかは掲載して結果を分析しないとわかりませんが、少なくとも「どのようなクリエイティブを作ったら良いか」という視点における指針にはなるということです。

ターゲットと親和性の高いクリエイティブはクリック率、コンバージョン率ともに汎用的なものと比較すると上昇する可能性が高く、良し悪しの選別ができるためPDCAサイクルもまわしやすくなります。

また、明確化されたターゲットに対して、優先度の高い順に適切なクリエイティブを作っていけば、最小限のリソース・費用で最大限の効果を得ることが可能となり「リソース・費用が足りない」という問題についての一つの解決策ともなるのです。

 

以上、リターゲティング広告最適化におけるプライベートDMP活用のメリットについてお話させて頂きました。リターゲティング広告の最適化には他にも管理画面の設定や日々の運用テクニックなど様々な最適化ポイントがあります。しかし、根源的にはターゲットを明確化するというマーケティング活動の基礎とも言える部分に取り組むことが後の成果向上に大きく寄与します。これを機会に今一度、自社のターゲット像を具体的にイメージして最適化に活かして頂ければ幸いです。

また、プライベートDMPとパブリックDMPのデータをシンクさせることで実現する新たな顧客セグメントの作成や優良顧客のデータを基にしたオーディエンス拡張等、プライベートDMPを使った広告配信の最適化は様々な手法があります。これらはまた別の機会にお話いたします。

ALBERTではプライベートDMP「smarticA!DMP」の導入、活用を支援しております。専門のコンサルタントがクライアントのニーズに合わせた最適なご提案をしながら、成果改善に取り組んで参ります。

私のようにインターネット広告の企画・運用を専門的に行ってきたコンサルタントもおりますので、ぜひご相談ください。


武田稔哉

ネット専業広告代理店でメディアプランニング、リスティング広告の設計・運用、解析ツールを用いた効果分析などに従事。流通小売、不動産、人材、航空会社など様々な業界を担当。また、アドテクノロジー分野においても、タグマネジメントやリターゲティングリスト設計など専門性の高い業務も数多く経験。よりデータを重視したマーケティング施策を提供すべく2016年にALBERTに入社。DMPの導入・運用業務に加え、データを活用した広告施策のプランニングも行っている。